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【ロンドンで授賞式】
宮崎慶輔准教授の論文が歴史と権威がある国際学術誌で最も研究価値があると評価。 染色困難なポリプロピレンをサスティナブルに着色する手段の実用化?活用に貢献、衣料品への幅広い活用に道を開く

プロジェクトデザイン基礎教育課程?宮崎慶輔准教授(専門:工学教育、染色化学、染色加工、錯体化学、構造化学)が福井大学との共同研究で執筆し、国際誌に掲載された論文が、Worshipful Company of Dyers(略称:Dyers' Company)(※1)の「Dyers' Company Research Medal」を受賞し、6月14日にイギリスのロンドン橋に隣接するFishmongers’ Hallで行われた授賞式に招待されました。

Dyers' Company Research Medalを手にする宮崎慶輔准教授<br>Fishmongers’ Hall (ロンドン 2023年6月14日)

「Dyers' Company Research Medal」は、Society of Dyers & Colourists(略称:SDC)(※2)がWileyと共同で発行する学術雑誌『Coloration Technology』(※3)に過去12ヶ月間に掲載された論文の中から、最も研究価値の高い論文に授与されています。

宮崎准教授の研究グループは2020年、それまで染色が困難で色数に制限があったため衣料品分野での使用が進まなかった「ポリプロピレン繊維」に、多様な色を付けられる世界初の染料を、福井大学、有本化学工業との産学連携で開発に成功。大量の水を使わない環境に優しい染色技法(グリーン?ケミストリー)で 、消費者の多様な色ニーズに合った保温機能肌着やスポーツウェアの活用に道を拓きました。

このたび受賞対象となったのは宮崎准教授が2022年4月に発表した論文です。超臨界二酸化炭素を媒体としてポリプロピレン繊維(※4)を染色(超臨界流体染色)する際に、使用する染料分子上の疎水性置換基の結合位置が、染色能(染まりやすさ)と染色堅牢度(染色された生地の染色の丈夫さ)に与える影響を明らかにしたもので、染色が困難な素材をよりサスティナブルに着色する手段の実用化?活用に貢献した点が高く評価されました。

本学が福井大学、有本化学工業と共同で出願を行った本技術に関連する特許は、国内では登録済み(特許第6671729号)であり、台湾、韓国、中国、タイへも出願 (タイ以外は全て登録済) されています。

【宮崎慶輔准教授?受賞コメント】

英国ロンドンでの授賞式に出席する機会をいただき、ありがとうございました。まずは、今回の海外出張に至るまでのさまざまな場面で私を支えてくださったすべての方々に深く感謝申し上げます。今回の受賞理由は、「産業応用への可能性」、「サスティナブルな環境配慮型の非水系技術」、「染料構造の最適化に関する徹底的な検証」の3点とのことでした。「徹底的な検証」と言われると少し誉められすぎで、なんとも落ち着かない気分になりますが、実験結果を地道に積み上げたことに対する評価ととらえて、今後の研究の励みにしつつ、今回の経験を学生の教育に活かしていきたいと思います。

※1:Dyers' Companyは、1471年に英国王室から勅許をうけた12世紀から続く染色家ギルドを起源とし、現在はSDCやLees大学などと提携して染色の技術開発と色彩分野の教育支援など多くの慈善事業を行っている団体です。

※2:SDCはDyers' Companyの奨励により1884年に設立された英国ブラッドフォードに本部を置く世界的な組織であり、染色、印刷、着色など、色のすべての分野を専門とする国際的な専門家コミュニティで、米国のAmerican Association of Textile Chemists and Colorists (AATCC) と共同で着色剤の参照データベースColor Index Internationalを管理しています。

※3:Coloration Technology誌は、色の応用を扱う世界有数の査読付き学術雑誌であり、着色技術のすべての側面 (化学、物理学、技術、工学、管理を含む) をカバーする唯一のジャーナルです。

※4 ポリプロプレン繊維:

ポリプロピレン樹脂は、石油精製時の排ガスを原料としているため非常に廉価です。この樹脂を使用したポリプロピレン繊維は軽量で速乾性があり、耐薬品性、耐擦過性、耐屈曲性、帯電防止性など優れた特性を持つ繊維です。1960年代の出現当時は「夢の繊維」と称され世界中の話題となりましたが、染色が困難などの理由から衣料品としての用途は広がりませんでした。繊維を作る際に有色顔料を樹脂に練り込むなどしてあらかじめ色付けすることは可能ではありましたが、色を決めるタイミングと色数に制約があるため、有色のポリプロピレン繊維の活用は非常に限定的でした

受賞対象となった論文

【掲載誌】「Coloration Technology」 Vol.138,Issue5

【論文名】The relationship between the substitution position of hydrophobic groups on near-magenta anthraquinone dyestuffs and the dyeing performance for polypropylene fabric dyed in supercritical carbon dioxide

【著者】宮崎慶輔(金沢工業大学)、平田豊章、廣垣和正、田畑功、堀照夫(福井大学)

論文掲載URL:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/cote.12610

【関連リンク】

宮崎慶輔准教授の国際誌での論文が「Dyers' Company Research Medal」を受賞。ポリプロピレン繊維の染色時の染まりやすさ、生地の染色の丈夫さを明らかに(2023.4.13)

染色が困難であった「ポリプロプレン繊維」に、多用な色を付けられる世界初の染料を、福井大学、金沢工業大学、有本化学工業が、産学連携で開発に成功。環境に優しい染色技法で、消費者の多様な色ニーズに合った保温機能肌着やスポーツウェアも製造可能に(2020.8.20)

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